PEDIATRIC-ORTHODONTICS
小児矯正
小児矯正について
小児矯正で重視しているのは、ただ歯並びを整えるのではなく、生活習慣や呼吸の方法などのレッスンもして、健全な発育ができるようにサポートすることです。矯正相談は無料で行っておりますので、ぜひご連絡ください。
小児矯正の開始時期は、歯の入れ替わりがスタートする5歳から8歳までの期間です。年齢が上がれば上がるほど矯正が難しくなるため、できるだけお早めにご相談ください。
第1期治療と第2期治療について
小児期の矯正治療は、成長段階に合わせて二段階で行うのが一般的です。
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1期治療
(6歳~小学校中学年ごろ)お子さまの乳歯がまだ残っている時期に行うのが、1期治療です。この時期は、お子さまの顎の骨がぐんぐん成長する大切な時期。その成長をうまくコントロールしながら、歯並びや噛み合わせの問題の原因を改善していきます。
1期治療の目的は、永久歯が正しい位置に生えるための環境を整えることです。1期治療を適切に行えば、次の2期治療をスムーズに進められるだけでなく、永久歯を抜かずに済む可能性も高くなります。 -
2期治療
(小学校高学年~中学生頃)お子さまの永久歯が生えそろう小学校高学年から中学生の時期に行うのが、2期治療です。この時期は、お子さまの顎の成長がほぼ完了し、大人と同じような矯正装置を使って、歯並びと噛み合わせを理想的な状態に整えていきます。
1期治療で健康的な土台を作っておくと、2期治療をよりスムーズに進められます。しかし、1期治療を受けていなくても問題ありません。2期治療だけでも、十分に効果的な矯正が可能です。
早くから矯正することの
重要性
お子さまの健やかな成長には、口の中の健康も欠かせません。歯並びや噛み合わせの問題は、見た目だけでなく、お子さまの健康にも影響を及ぼす可能性があるのです。
乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、お子さまの顎の成長が最も活発な時期。この時期に矯正治療を始めることで、歯並びや噛み合わせの問題を効果的に改善できます。お子さまの顎の骨は柔らかく、短期間で目覚ましい変化が期待できるのです。
また、歯並びの問題を早めに解決することで、口呼吸や舌の癖など、悪影響を及ぼす習癖も改善しやすくなります。一方で、問題を放置してしまうと、年齢とともに治療が難しくなってしまう可能性も考えられます。
そのため、定期的に歯医者さんでチェックを受け、問題があれば早めに矯正治療を始めることが大切です。
歯並び・噛み合わせに
影響を与える癖・習慣
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指しゃぶり
乳幼児期の指しゃぶりは、口腔機能の発達に重要な役割を果たします。しかし、永久歯の萌出が始まる2歳以降まで続くと、歯列不正や不正咬合のリスクが高まるのが厄介な点です。特に、上顎前突(出っ歯)や開咬(前歯が噛み合わない)などの問題が生じやすくなります。そのため指しゃぶりの習慣は、できるだけ早期に改善することが大切です。
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口呼吸
鼻づまりなどで口呼吸が続くと、お子さまの歯並びや噛み合わせに悪影響が出ることがあります。口で息をすることで、上あごの成長が妨げられたり、下あごが後ろに下がったりして、不正咬合のリスクが高くなるのです。 口呼吸の原因には、アデノイドや扁桃腺の肥大、アレルギー性鼻炎などがあります。こうした問題は、耳鼻咽喉科の先生に相談するのがおすすめです。お子さまが口呼吸になっていたら、早めに専門医の診察を受けましょう。
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歯ぎしり
睡眠中に無意識に歯ぎしりをするお子さまが増えています。歯ぎしりは、ストレスや睡眠の質、不正咬合などが原因で発生する習癖です。強い歯ぎしりは、歯の咬耗、顎関節症状、頭痛などを引き起こす可能性があり、歯周組織への負担も増大させます。不正咬合が原因の場合は、矯正治療による咬合の改善が症状の緩和に役立つことがあります。また、ナイトガードの使用により、歯への負担を軽減することもできます。お子さまの歯ぎしりが気になる場合は、歯科医師への相談が大切です。
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頬杖
頬杖というのは、片方の頬に手や腕を当てて頭を支えてしまう癖のことで、子どもに多く見られます。片側ばかりで頬杖をしていると、顎の骨の成長が左右でアンバランスになって、顔の形が左右対称でなくなったり、下あごが曲がったりする問題が起こるかもしれません。
また、頬杖をすることで、歯並びに横からの力がかかると、歯列が狭くなったり、歯並びが乱れたりすることにもつながります。さらに、頬杖は姿勢が悪くなる原因にもなるので、早めに直すことを心がけましょう。
矯正可能な歯並び・
噛み合わせ
出っ歯(上顎前突)
上の前歯が下の前歯に比べて極端に前に出ている状態を上顎前突と呼びます。見た目だけの問題ではなく、ドライマウスになりやすかったり、口呼吸になりやすかったりします。
受け口(下顎前突・反対咬合)
上顎に比べて下顎が前に出ている状態で、前歯の噛み合わせが通常とは真逆になっています。「受け口」「しゃくれ」とも呼ばれています。
乱杭歯(叢生)
歯の生えるスペースと歯の大きさのバランスが崩れ、歯がバラバラに生えている状態を叢生(そうせい)と呼びます。草木などが群がって生えることを意味しています。
すきっ歯
(空隙歯列・正中離開)
歯と歯のあいだに隙間があいている状態を空隙歯列と呼びます。その状態が続くと発音が不明瞭になったり、汚れが詰まりやすくなったりするなどのデメリットがあります。
開咬
奥歯で噛んだ際、上と下の前歯が当たっていない状態です。食べ物を十分に噛み切ることができなかったり、奥歯に負担がかかって歯の寿命が短くなったりするなどのデメリットがあります。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、下の前歯が見えなくなってしまうほど前歯の噛み合わせが深い状態です。上の前歯が大きく見えてしまったり、顎に負担がかかりやすくなったりとさまざまなデメリットがあります。
当院で行っている
矯正治療
当院のマウスピース小児矯正は、『マイオブレースシステム』というマウスピースと
お口のトレーニングの二方面からお子さんの歯並びが悪い原因を治していく治療を行っています。
マウスピース矯正
(マイオブレース・システム)
マイオブレースシステムは、オーストラリアのDr.Chris.Farrellにより不正咬合の原因を、早期に治療するための筋機能装置として開発されました。
本来子どもが持っている正しい歯並びを促すだけでなく呼吸改善など健康面においても大きなメリットがあることで注目され、現在では100ヶ国以上に広まり日本においてもこのシステムを取り入れた矯正治療が行われるようになりました。
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Meritメリット
- 見た目が気にならない
- 後戻りが少ない
- 負担が少なく、痛みもない
- 身体の正しい発育を促す
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Demeritデメリット
- 歯科医師が指定した装着時間を守らないと治療が進まない
- お子さまの協力が重要になる治療方法なので、お子さまに治療の大切さを理解してもらう必要がある
- 新しいマウスピースに交換した際に窮屈に感じる可能性がある
- 公的医療保険が適用されない自由診療
料金(税込) | ¥110,000~¥165,000 |
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治療期間 | 1ヶ月~2年 |
治療回数目安 | 12~24回 |
装着後の流れ
1.月に1度または2ヵ月に1度来院して頂き、歯並び、トレーニングの確認、お口全体の掃除
2.保護者の方と毎日一緒にあいうべ体操の実地
3.毎日起きている間に1時間マウスピースの装着(30分ずつであれば分けて行う事も可)
4.寝ている間にマウスピース、お口テープを装着(お口テープとは、マウスピースを入れ唇を閉じた時に唇に貼るテープの事。鼻呼吸を促します)
年齢や骨格的にマイオブレースシステムが向かない場合もありますので、気になる方はお近くのスタッフへお尋ね下さい。
未承認機器に関する明示
- 医薬品医療機器等法上の承認:未承認
- 入手経路:販売代理店より入手
- 同一成分や性能を有する他の国内承認の医薬品の有無:無し
- 諸外国における安全性等の情報:マイオブレース製造者であるMRCの開発した装置を使うことにより、悪い歯並びの原因が改善した研究レポートがあります。
- 医薬品副作用被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
床矯正
床矯正は、お子さまの顎の成長を利用して歯並びを広げる矯正方法です。上顎に装着する取り外し可能な装置を使用し、ネジを定期的に調整することで、少しずつ歯列を広げていきます。
食事や歯磨きの際は取り外せるため、口腔衛生を保ちやすく、虫歯のリスクも抑えられます。
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Meritメリット
- 治療の痛みが少ない
- 顎を広げることにより、抜歯をしないで矯正治療ができる可能性が広がる
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Demeritデメリット
- お口の中に異物を入れるため、お子さまが変に噛んだりして装置を破損させてしまう場合がある
- 公的医療保険が適用されない自由診療
料金(税込) | ¥110,000 |
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治療期間 | 1ヶ月~2年 |
治療回数目安 | 12~24回 |
歯並びに影響する癖の改善
装置を使うのと同時進行で、頬杖やうつぶせ寝、口呼吸や歯を舌で押す動きなどの悪癖を改善するトレーニングにも取り組んでもらい、歯並びが崩れる原因自体を取り除いていきます。特に、お口から呼吸をしている場合には、虫歯や歯周病が発生しやすくなる、雑菌を直接吸い込んで感染症のリスクが増加するなど、さまざまなトラブルの原因になります。お口の環境を整えることは、結果的にお身体を守ることにもつながるのです。
トレーニング
マウスピース小児矯正では、マウスピースを使うだけでなく、お口のトレーニングが必要不可欠になります。
トレーニングは『あいうべ体操』と言われるものです。『あ』『い』『う』『べー』と4秒ずつ一番大きなお口で発音し、最後の『ベー』では舌を思い切り下に出します。これを1日30回行う必要があります。声を出す必要はありませんが、口を大きく開ける必要がありますので出してもらっても構いません。
このトレーニングで正しい呼吸、舌の位置、嚥下(飲み込み)そして唇の筋力トレーニングを行います