歯並びが整うだけで矯正治療は終わりというのは大きな間違いです。
歯は骨と筋肉(ほほや舌)で囲まれています。
その筋肉がバランスよく機能しないと、装置で治しても元の悪い歯並びに戻ってしまいます。
また、正しく発育できなければ、正しく機能することはできません。
歯並びは先生や装置が治してくれるだけではなく、自分の体の正しい発育と機能もキレイな歯並びへと導いてくれます。
これを「バイオセラピー」と言います。
この正しい機能を得るために、悪い癖を直すことやトレーニングが必要となってきます。
指しゃぶりやかみ癖は歯に直接圧をかけ、長時間同じ行為を続けると歯並びに影響してしまいます。
例)
指しゃぶり・・・出っ歯
唇かみ・・・出っ歯
タオルかみ・・・上下の前歯がとじない
爪かみ・・・すきっぱ
歯に直接触れなくても、普段の癖で歯並びや顎の形に影響を与えてしまうことがあります。
頬杖はその一つです。
両頬を両手で支える行為は歯並びをゆがませてしまいます。
片手で顎をさせる行為は下顎の位置がずれ出っ歯に見えてきてしまいます。
片方の手で片方に頬杖すると、歯並びも下顎も変形してしまいます。
寝ているときの姿勢を気にしたことはありますでしょうか?
毎日6時間前後の時間を同じ体勢いで寝た場合、歯並びや骨が歪む原因となります。
なるべく仰向けで寝るようにしましょう。
人間は関節と筋肉でバランスを取っています。
姿勢が傾くと体がバランスを取ろうとしますので徐々に頭や顎の位置がずれてきます。
特に多いのが猫背です。猫背になると、体が後ろにひかれるので、頭が前に出ます。
この結果下顎が後ろに引っ張られ下がり、口がぽかんとあいたり、低位舌、出っ歯のような症状が出てきます。
イスに座ってるときに猫背になると、重心が腰より上にきますので首とおなかあたりの圧が強くなります。
この体勢だと苦しいので体は楽な姿勢を取るために、首を傾け下顎が前に行ってしまい、顎の位置が不安定になります。座っている時こそ、姿勢に注意しましょう。
歯並びや顎のゆがみをなくしていくためにも普段の癖を直していきましょう。
癖を治すには、治したいという強い意志と、良くなっときの顔をイメージして目標を持つこと、治すための環境を家族で作ることが大事です。
ポカンXは唇の閉じる力を鍛える器具のことです。普段から口が開いてる方は、口論筋の働きが弱くなっているのが原因です。ポカンXは口論筋を鍛えれます。
上の前歯の真ん中にポカンXの溝を当て、唇の真ん中にくわえます、これにより、口論筋の偏りを防止でき、さらに口を閉じた状態を維持できます。口を閉じることによって、自然と鼻呼吸になります。
何らかの疾患で、鼻呼吸ができない場合は無理にこのトレーニングを行うことは避けてください。
とじろー君は唇の閉じる力を鍛える器具です。
とじろーくんは、上下の唇でくわえてバネの力で唇を閉じたり開いたりを繰り返すことによって負荷がかかります。。
中のバネを変えて、強度を強めたり、弱めたりすることも可能です。
一日3分間以上は続けてください。
風船をふくらますことで口論筋を含む口周りの筋肉を鍛えることができます。
風船をいっぱいまでふくらませて口から離し、空気を抜いて再度ふくらませます。
この動作を何度も繰り返し、一日3分以上続けましょう。
風船が膨らまない場合は、口周りの筋肉の機能が弱いのでトレーニングを続けましょう。
リットレメーターは口論筋のひっぱり強さの測定とトレーニングが可能です。
マウスピースを唇にくわえ、マウスピースに付随してる測定器の部分を正面に向かって引っ張ります。理想は2.0kg以上で、すくなくとも、1.4~1.6kg以上の引っ張る力が必要です。理想値に達するまでトレーニングすることをおすすめしています。
色んな角度から引っ張ることで、トレーニング効果も上がります。
1日3分間以上続けましょう。
皆さん、正しい舌の位置をご存知でしょうか。
正常な舌の位置は、舌の先が上の前歯の裏についていること、舌の広い部分(舌背)が上顎(口蓋)に軽くついている状態です。
口がぽかんと開いていると、舌が下がってしまいます。
この状態を、「低位舌」と言います。
舌はいろいろな骨とくっついており、舌が下がると、舌のついている骨(舌骨)の位置が変化し、周りの筋肉のバランスも崩れます。
よって、上顎が狭くまり歯並びが悪くなったり、顎の位置が変わり起動を狭くして、口呼吸になりさらに唇が開くような症状が現れます。
舌の位置が正常になるとまず顎の位置が安定します。
また歯並びが安定して、矯正の後も顎が正しく成長し、気道が広くなり呼吸が楽になります。
タッチスティックは、溝に合わせて噛むことで下顎を正しい位置に移動させ
スプーンに舌を乗せることで舌の位置を正しくします。このような2つの治療目的を持った器具です。タッチスティックは上下の溝の位置や大きさ、スプーンの角度によってさまざまな種類があり治療目的と年齢により違います。患者様に合ったもの当院ではご案内いたします。
ガムを使用して舌の機能を上げることと、舌の筋力をチェックできます。
これができない場合は舌の機能が足りてないということになります。
まずはできるようにトレーニングしましょう。
お子様がご飯を食べるのが遅かったり、ボロボロと食べ物をこぼすことはありませんか?
ご飯を食べるのが遅い場合は、口周りの筋肉がうまく使えていない可能性があります。
ご飯を食べるのが遅いからといって催促してしまうのは、噛まずにに飲みこんでしまう要因になりますので
口の体操を行って、口周りの筋肉をうまく使えるようになりましょう。
頬を膨らませる運動を5回~10回行い、そのあと吸引します。
この動作を1日5回~10回行ってください。
舌を出してめいいっぱい口周り上下左右に動かします。
その後、上顎に舌を5秒間押し付けます。
この動作を5回繰り返し、1日5回~10回行ってください。
口をしっかり閉じて、ゆっくりパピプペポと発音してください。
これを5回~10回繰り返し、1日5回~10回行ってください。
あいうべ体操は口呼吸の改善、舌の位置の改善も期待できます。
しっかりあいうべ体操を継続して行いましょう。
あー、いー、うー、べー、と発声しながら大きく口を開きます。
体操なので大きく行いましょう。
1日最低30回行ってください。
ご飯を食べてるときにボロボロとこぼすような場合は飲みこみ方に問題がある可能性があります。
正しい飲みこみ方は、唇を閉じ、食べたものを上顎に舌で押しつけながらのどに運びます。
飲みこみ時には歯がかみ合わさるようにしてください。
この動作が出来ない場合は、下記のトレーニングを行いましょう。
これらの動作を1日5~10回行なってください。
かむことは顎の骨を発育させる刺激になる他、唇・頬などの科をの筋肉を発達させる作用があり、かむ力も強くなります。
矯正歯科を利用する人の多くはこのかむ力が10kg以下でかむ機能がありません。
かむ力が弱いと、顎の発達不足に繋がり、歯並びも安定せず、後戻りの原因になります。なによりも、かまないで飲みこむと消化吸収が悪くなります。食事やトレーニングでかむ力を高めて歯並びをよくしていきましょう。
しっかりかめない、かむ力が弱い場合は、かむ機能を高めるトレーニングが必要です。
ただし、かみ合わせが反対の場合は、必ず治療後にトレーニングを行ってください。
治療前に行うと、症状が悪化する可能性があります。